こんにちは、無理やあ です。
今回のテーマ早速紹介します。『食道がん』です。
看護実習での、受け持ち患者さんの疾患でも多い「食道がん」。そのため、事前学習で「食道がん」について書く機会も多いと思います。
ただでさえ、記録に修正に、看護計画の立案、評価に・・実習の目標・計画などなど大忙しの看護学生さんが、事前学習で取れる時間は本当に多くないと思います。
なので、この無理やあブログで、少しでも事前学習を書く時間を短縮し睡眠時間を確保して下さい!!
「食道がん」の事前学習のポイント・書き方をまとめました。この記事をそのまま活用すれば簡単に事前学習が仕上がると思います。
では、いきましょう!!
食道の解剖生理
・食道は大きく
①頸部食道 ②胸部食道 ③腹部食道 に分類される。
・②の胸部食道はその中でも上部・中部・下部に分類されて、胸部中部食道は日本の食道がんの好発部位である。
・日本の食道がんは扁平上皮がんが多い。
・通常、消化管は粘膜、筋層、漿膜の3層からなるが、食道には漿膜がない。
食道がんのリスクファクター
①男性(女性の5倍)
②中高年(50歳以上に多い)
③喫煙
④アルコール過剰摂取
⑤高塩食や熱い食べ物
⑥飲酒により顔が赤くなる体質
※早期の食道がんは、エックス線造影検査などでは発見が難しい。
食道がんの検査
①内視鏡検査が有用
②エックス線造影検査(バリウム検査)などでは発見が難しい
食道がんの症状
・食道がんは早期には自覚症状が無いことが多く、徐々に嚥下時の不快感(つかえる感じ、しみる感じ等)がみられ、進行すると、嚥下障害が出て食べられなくなり、体重減少することがある。
・胸痛・背部痛・咽頭痛、咳嗽・喀痰の増加、嗄声、喀血
食道がんの特徴
・食道がんは転移しやすい。
・食道がんは、がんが気管、気管支、大動脈などの周辺臓器に浸潤しやすいのが特徴。
・また、食道壁内にはリンパ管や血管が豊富にあり、リンパ節転移、血行性転移などを起こしやすいことも特徴。
・リンパ節転移は、上縦隔のリンパ節に多くみられる。
食道がんの手術 (胸部食道がんの場合)
胸部食道全摘術
・胸部食道がんに対して標準的に行われるのは、胸部食道全摘術。術創は3か所。
1か所目:頸部 リンパ節郭清
2か所目:胸部 リンパ節郭清 食道切除
3か所目:腹部 リンパ節郭清 胃切離
・仰臥位で胸部を切開しても、胸骨や心臓、肺などがあるため、後縦隔に位置する食道まではたどりつけない。
・腹部の切開も必要。根拠:胃管を作るため
・胃管を持ち上げ、残った食道につなげるために、頸部の傷も必要になる。
・食道の再建には、一般的には胃を用いるが、再建臓器として適切でない場合は、結腸や空腸を用いる。
・最近では、胸腔鏡や腹腔鏡を使用した手術も増えている。
再建経路の特徴
胸骨前(胸壁前)
●長所:縫合不全が起こった場合の処置(ドレナージ等)が容易で安全。
吻合操作が容易。
●短所:美容上問題がある(食物塊が移動していく様子が見えてしまう)。
経路が長く屈曲しやすい。
吻合部までの距離が長く、縫合不全を起こしやすい。
胸骨後
●長所:吻合が頸部なので、縫合不全を生じても重篤にならない。
再発や術後照射の影響を受けにくい。
最も多く用いられる再建経路。
●短所:経路が長く狭いため、吻合部の血流が低下しやすい。
心臓が圧迫される。
後縦隔
●長所:吻合部までの距離が最も短いので吻合部の緊張が少ない。
もともと食道があった部位なので、嚥下障害が起こりにくい。
●短所:縫合不全が起こると、膿胸になりやすい。膿胸とは、膿性の胸水が貯留する病態のこと。
術後の注意点
・手術前から低栄養状態に陥ってることが多い 根拠:食道がんの患者は嚥下障害や食欲不振のため
・肺炎や無気肺などの呼吸器合併症 根拠:呼吸管理のために、術後1~3日間は気管内挿管で維持することが多く、抜管後も術中の換気制限、創痛、呼吸筋の障害などの影響があるため。
・術後の呼吸管理や排痰ケアが必要
食道がんの主な合併症
①肺炎・無気肺などの呼吸器合併症が起こりやすい
②呼吸管理や排液ケアが重要
③術前の呼吸訓練や早期離床が合併症予防のカギ
術後の栄養管理
・術直後は中心静脈栄養や経腸栄養が主です。経過が良好になると、経口摂取も可能となる。
・経口摂取開始後も、誤嚥に注意し食事介助が必要。
・早期離床や排痰を促すために、創痛のコントロールも重要。
※術前の看護についての詳細は下の画像をクリックして下さい👇
※術後の看護についての詳細は下の画像をクリックして下さい👇
食道がんの手術(頸部食道がんの場合)
・頸部食道がんでは、多くの場合、咽頭喉頭食道切除術の適応となる。
・この手術では、永久気管孔となる。※永久気管孔(permanent tracheostoma)とは、患者の前頸部に造設する呼吸をするための孔(穴)のことである。
・この部分のみの切除では、空腸や大腸で再建する。
・声を失う手術となるため、根治的化学放射線治療を選択することも多い。
食道がんの手術(腹部食道がんの場合)
・腹部食道がんの場合は、胸部の場合と体位が異なり、右・左開胸もしくは開腹を行う。根拠:腹部食道がんでは、横隔膜の食道裂孔部の周囲での操作が多くなるため。
・下部食道+胃噴門側切除もしくは胃全摘を行う。
化学放射線療法
・骨髄抑制 食道気管支ろう(ろうとは穴のこと、食道と隣接している気管が交通してしまうこと) 肺炎のリスクが高くなる。
※放射線療法についての詳細は下の画像をクリックして下さい👇
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食道がんのほんの一部のことですが、事前学習に活用できましたか?
もし、受け持ち患者さんが食道がんであれば、参考にしてください。
今日も頑張ってください。実習生さんを患者さんは待っています。
では、また!!
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