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今回のテーマは『肺がん患者術後の看護実習の事前学習ノートに書くべき観察項目と看護』です。
看護実習で、受け持ちになる患者さんの疾患で、肺がんは多いと思います。肺がん患者さんへの術後の吸収器合併症、胸腔ドレーン、皮下気腫などの看護や観察ポイントについてまとめました。
では、さっそくいきましょう!!
『肺がん患者術後の看護実習の事前学習ノートに書くべき観察項目と看護』
肺がんの手術
・肺がんの手術は、がんの進行度や病変部位によって術式が決まります。「開胸手術か胸腔鏡手術か」「肺の切除範囲」「術前の患者の身体状態」により、侵襲の程度や術後の回復過程が大きく異なる。
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肺がんの術後の看護の特徴
術後24時間以内
・術後24時間は術後出血が起こりやすい。
術後1日目~
・術後1日目から2日目ごろに、急性疼痛による早期離床の遅延、深呼吸・咳嗽の抑止などによる無気肺、肺炎などの合併症リスクが高まる。
※あわせて読んで👇 関連記事 『術後の看護(術後1日目)看護実習の事前学習ノートでの書き方とポイント11選 根拠付』
・食事が開始されると、乳び胸(胸菅から脂肪分を含んだリンパ球が漏れ、胸腔に貯留した状態)が起こることがある。
術後2日目~
・術後2~3日目までに胸腔ドレーンからの排液と術後のエアリークがほとんどなくなり、残存肺の再膨張が図られる。
・エアリークがなくなってきたら、残存肺の再膨張を促すために深呼吸や呼吸訓練を開始する。
胸腔ドレーン抜去後
・胸腔ドレーンが抜去され、換気不全が改善されると日常生活を徐々に拡大でき、退院後の生活についてイメージしていくようになる。
肺がんの術後の観察ポイントと看護
呼吸性変動の有無
・患者の呼吸に合わせて、胸腔ドレーンのチューブ内の排液や水封室の水面が変動するか観察する。変動がみられない場合は、ドレーンの閉塞が考えられる。
・ドレーン管理の看護としては、ドレーンが屈曲してないか、患者さんの身体の下に敷き込まれていないか確認し、ミルキングを行いチューブ内の閉塞を除去するなどしても呼吸性変動がないときは、医師に報告する。
※胸腔ドレナージとは:その目的や効果
・胸腔ドレナージとは、胸腔内にドレーンを挿入することで、貯留した気体や液体(胸水や血液、膿)を持続的に体外へ排出(ドレナージ)する治療のこと。
・胸腔内に気体や液体が貯留すると、肺が圧迫され再膨張が妨げられる。
・胸腔内圧が高くなることで、胸部圧迫感、呼吸困難、縦隔偏位が起こり、循環機能、呼吸機能に影響を及ぼす。これらを改善するために、胸腔ドレナージによって貯留物を排出し、胸腔内の陰圧を保つ。
排液の量と性状
・血性、淡血性、漿液性、膿性、乳びなどの性状を観察し記録する。
・術後の排液は一般的に血性、淡血性と徐々に色が薄くなり、量も減少していく。
・血性の排液が100ml/時以上みられる場合は術後出血を疑い、バイタルサインの測定と同時に医師に報告する。
エアリークの有無
・術後のエアリーク(胸腔内から空気が漏れていること)は、手術によって起こり、通常は術後数日で止まる。
・エアリークは水封室の水のなかの気泡でわかる。この気泡がみられると、まずはドレーンの接続部が外れていないか確認する。
・患者に深呼吸、発声、咳嗽をしてもらい、どの時点でエアリークが起こるのか観察し記録する。
皮下気腫の有無
・皮下気腫は自然に吸収されるが、広がるときは何らかの問題が起こっている可能性があるため、皮下気腫の範囲をマーキングし記録に残し変化を観察する。
※皮下気腫とは:その原因や特徴
・肺やドレーン挿入部から皮下に空気が漏れ、貯留することで生じる。
・皮膚に粗いぶつぶつとした触覚(握雪感)がみられた場合、その部位のマーキングを行い、拡大の有無を観察する。
・皮下気腫が進行すると、頸部循環障害や胸郭の拡張障害を起こすため、観察が重要となる。
・頸部に皮下気腫が生じると、空気が頸部の血管を圧迫して循環血液量が低下することで、血圧低下が起こる。
最後に
肺がん患者さんの術後の看護では、呼吸状態の観察や胸腔ドレーン管理が重要です。
それぞれの観察項目の目的とそれに合した看護を実施することで、受け持ち患者さんの記録と看護計画の立案がスムーズになり、評価もしやすくなります。
今回の記事も是非活用してください。
では、また!!
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