こんにちは。無理やあブログ管理者の無理やあです。
今回も、記事をそのまま活用してもらえれば、事前学習が完成するようにしています!!!
今回のテーマは『統合失調症』。
統合失調症についての事前学習、この記事をそのまま活用して、実習中の睡眠時間を少しでも確保して下さい!!
精神科入院の約6割を占めているのが、この統合失調症です。
※精神科の入院形態などについては下の画像をクリック!
精神科での実習では、統合失調症の患者さんを受け持つこともあると思います。統合失調症の患者さんへの関わり方が分からない、どんな看護をしていいのか悩む。。という看護学生さんは必見です。
患者さんへの症状やケアのポイントを理解できるように、まとめました。
では、いきましょう!!『統合失調症』。
統合失調症の症状
・統合失調症の経過や症状は様々で、思春期から青年期が好発時期。
・気分の落ち込みや身体症状、不安・不眠、集中力低下といった前駆症状が出現する。
・急性期には幻覚・妄想といった陽性症状がみられる。
・慢性期には感情の鈍麻・平坦化、思考や会話の貧困、自発性の減退、社会的引きこもりなどといった陰性症状。
・思考障害:会話の脈略のなさが著明。
・自我障害:自身が他人に操られている、自身の思考が他人の伝わっている(思考伝播)といった体験がみられる。
・統合失調症は日本の人口の約1%が罹患する。
統合失調症でみられる陽性症状と陰性症状
●陽性症状 作為体験(させられ体験)、幻覚・妄想、精神運動興奮(イライラなど)他害や自傷の高リスク状態、独語、空笑
●陰性症状 感情鈍麻、疎通性障害、自閉、自発性の低下、ADLの低下
・経過は寛解するもの、波状の経過をとるもの、人格荒廃に至るものなどさまざま。また、病識のない患者もいる。
統合失調症の主な症状
・思考障害:連合弛緩(ある考えとほかの考えの関連がわからなくなり、筋道を考えることができなくなる)、滅裂思考、妄想
・知覚障害:幻聴、幻味、体感幻覚(身体的な感覚の幻覚)
・感情障害:感情障害、両価性(アンビバレンス:同一の対象に対する相反する感情を持ち合わせること)、無為、自閉
・意欲障害:能動性低下
・自我障害:作為体験(させられ体験)、思考吹入(他人から考えを吹き込まれていると感じる)、思考奪取(自分の考えが他人に抜き取られていると感じる)、思考伝播(自分の考えが周囲に知れ渡っていると感じる)、思考察知(自分の考えが他人に知られていると感じる)
統合失調症の予後について
・経過は個人によって違い、一時的な症状の患者もいる。
・5~10%は重度の障害が残るといわれる。
・40%近くの人が最終的に寛解する。
妄想のある患者の看護
・妄想がある場合、それは患者にとって現実で、看護師は患者の体験やその苦しみは肯定するが、看護師にとって事実と違うことは肯定するべきではない。根拠:医療者が妄想を肯定することで、妄想の世界を広げてしまうため。
・「どんなことが聞こえますか?」など患者の苦しみを知るための聞き取りはするが、事実と違うことは肯定はしない。 根拠:幻覚・妄想を発展させないため。
・傾聴、受容、共感が重要。 根拠:看護師は味方であり、助けたい立場であることを理解してもらうため。
服薬確認の看護
・通常、服薬を確実に行っていれば、幻覚・妄想などの症状は抑えることができる。
・服薬療養中の患者に幻覚・妄想が出現すると、服薬状況の確認が重要となる。夜間の入眠状況も観察項目として重要。
・精神科では通常、看護師が患者本人に与薬し、目の前で服用してもらう。患者が薬を嚥下するまで見守る。 根拠:病識が無い患者の場合、服薬を拒否したり服薬したふりをして薬を隠す場合があるため。
・患者が服薬に対して拒否的な場合(拒薬)は、患者に対して服薬に関する不満や不安について聞くことが大切である。 根拠:服薬により具合が悪くなる(副作用)、また何か嫌な症状が出ている可能性があるため。
・服薬内容に関して、医師との相談も考慮し、患者に説明する。
・確実な服薬ができる看護がかなり重要である。
急性期の看護
・急性期は心身の休息を維持することが必要。 根拠:脳の活動が激しくなり、過度の覚醒状態にあり、体力を消耗しており、十分な入眠の維持が必要なため。
・症状に応じて、個室の確保、周囲の環境刺激が理由で不穏や自傷他害の高リスク状態で、一般病床での治療が困難な時は保護室での隔離療養も医師の指示のもと必要になる場合がある。保護室での隔離は精神保健指定医の指示が必要。
・睡眠の改善、栄養状態、電解質バランスの調整を優先し、セルフケアを中心とした看護が必要。
多職種との連携しての看護
・入院中期になると、退院後の生活で自立ができるように、多職種連携が必要になる。
関わる職種とは
・自分の病気について学ぶ心理教室(例:心理士が中心)
・心理教室では、患者が自分の状態を知ることで、今後、症状が悪化するときのサインに気付けるようになることが大切である。患者が気づきやすくなる様に、本人・看護師・心理士・精神保健福祉士・医師などと一緒にクライシスプランを作成する場合もある。
・服薬指導(薬剤師が中心)
・デイケアや訪問看護・作業所などの地域資源の紹介、精神障害者保健福祉手帳の紹介、地域で生活するための支援全般を実施する。(精神保健福祉士が中心)
心理教室では、患者が自分の状態を知ることで、今後、症状が悪化するときのサインに気付けるようになることが大切である。患者が気づきやすくなる様に、本人・看護師・心理士・精神保健福祉士・医師などと一緒にクライシスプランを作成する場合もある。
退院に向けての看護
①服薬が出来る為の看護
・自宅で確実に服薬が継続できるために、入院中の処方例えば朝・昼・夕・寝る前から退院後は朝・夕・寝る前、など患者の自宅での生活リズムにあわせる、タイミングを考えた処方にしてもらうよう医師と相談する。
・入院中から、服薬カレンダーを使用した、服薬の自己管理の開始を行う。 根拠:入院中は看護師が直接与薬していたが、退院後は自身での管理が主となるため。
※服薬カレンダーは看護学生が患者さんの為に一緒に作成するのもいいですね。
②退院後の日中の生活
・主治医・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・デイケアの看護師など、多職種による退院支援カンファレンスの実施して、様々な社会資源を活用し、規則正しい生活が続けられるように支援する。
・週に数日のデイケアへの参加。 根拠:自宅から出ることから、規則正しい生活や居場所の確保、医療との繋がりが維持しやすいため。
・地域活動支援センターの活用 地域活動支援センターとは、地域生活支援事業のひとつで、日中の居場所としての意味合いが強い施設です。
・訪問看護の活用。 根拠:自宅での生活の様子を診れることで、服薬状況・睡眠状態から症状を把握することが出来るため。
・本人の1週間の計画表の作成。 根拠:予定を可視化でき理解しやすいため。
high-HHとは
・家族や身近な人が患者に対して強い感情表出をしてしまう場合をhigh-HHという。
・患者に、批判的な発言をしたり、逆に過保護や過干渉になったりするかたちで表出される。
・病気が寛解しても、このようなことがあると、再発の可能性が高くなると考えられます。
・家族心理教室や家族会を紹介することで、周囲の理解を得やすくなる。
最後に
今回は統合失調症のポイントを事前学習に活かせるように、まとめました。
統合失調症では、傾聴・受容・共感とあったように、目に見えない患者の苦しみを理解することが重要ですね。
これは、どの疾患にもどの科の看護でも必要なことだと思います。大切にしましょう。
次回も役立てる内容をあげていきます。
では、また!
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