周手術期術前の看護 事前学習の書き方とポイント13項目 根拠付

事前学習これ見て

こんにちは。現役看護師の無理やあブログ管理者の無理やあです。

この無理やあブログは、記事をそのまま書いてもらえば看護実習の事前学習が仕上がるブログです。

今回のテーマは周手術期です。いわゆる、術前・術後の看護

看護実習で必ず学習すると言っても過言ではない、この術前・術後の看護について、事前学習のポイントと書き方を、この記事をそのまま活用してもらえばすぐに仕上げることが出来ます!!

では、いきましょう周手術期(術前)!!

※術後の看護は下の画像をクリック!!👇

呼吸訓練の必要性

呼吸訓練の目的

・全身麻酔の手術では、人工呼吸器で呼吸を管理するため。 根拠:麻酔により呼吸中枢が抑制されるため

全身麻酔、術創の痛み、体力の消耗等で呼吸機能が低下するため

術後の呼吸器合併症を予防するので術前に呼吸訓練を行い、呼吸機能を高めていくため

なぜ呼吸訓練が必要か

・術後は、肺炎無気肺になりやすいため。 根拠:人工呼吸器を外した直後は、気道への刺激で痰が増加するも、自力で分泌物を排出でず、それらが肺に入るため。

・術後は、すぐに起き上がることは困難で、創部の疼痛により、腹部に力が入らず、痰の排出が難しくなる。

無気肺とは

・無気肺とは、気道内の分泌物がたまり、肺葉の気管支が閉塞され、肺に空気が入らなくなってしまう状態。予防するためには術後、1・2時間ごとに深呼吸をするとよい。

・特に、痰量の多い喫煙者や呼吸筋力の低下している高齢者慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は入念な呼吸訓練を行う必要がある。

・喫煙者は術前最低2週間の禁煙指導が必要。 根拠:喫煙者は術後呼吸器合併症特に肺炎の発生頻度が高い。また、喫煙によって一酸化炭素やニコチンが体内に取り込まれると、赤血球の酸素運搬能力が低下したり、末梢血管の収縮が起こるため。


術前一般検査

①標準心電図 心機能の確認、虚血性心疾患の有無

②胸部X線 心不全の有無、呼吸器疾患の有無

③スパイロメトリー 肺活量、1秒率

④動脈血ガス分析 動脈血酸素分圧、酸塩基平衡

⑤血液一般(赤血球、白血球、血小板数、ヘマトクリット、ヘモグロビン) 貧血の有無や種類、程度 炎症の有無

⑥凝固系(出血時間、プロトロンビン時間等) 出血傾向の有無

⑦血液生化学検査(AST、ALT、BUN、クレアチニン、TP、アルブミン、電解質等) 肝機能(かなり重要) 根拠:肝臓は薬物の無毒化という機能があり、薬物を排出させやすい形に変えるが、肝機能に異常があれば麻酔が適切に代謝されず、麻酔が身体に残ってしまうため。

腎機能栄養状態 根拠:低栄養状態で手術を受けると、術後感染や縫合不全、肺炎などの術後合併症のリスクがたかくなるため。

⑧耐糖能(血糖値、HbA1c) 糖尿病の有無

⑨感染症(HBV、HCV、HIV等) 感染症の有無

⑩尿検査(尿タンパク、尿糖、尿潜血等) 腎・尿路系の異常の有無、糖尿病の有無

麻酔の種類

・全身麻酔(意識なし) 呼吸麻酔 静脈麻酔

・局所麻酔(意識あり) 脊椎麻酔(腰椎麻酔など) 硬膜外麻酔 伝達麻酔(神経ブロック) 局所浸潤麻酔 表面麻酔


術前前夜の看護

・手術前夜は絶飲食 根拠:消化管から食べ物をなくし、術野を見やすくするため。全身麻酔状態どの消化管内のし食物逆流による誤嚥性肺炎の予防のため。

・就寝前は下剤の服用 根拠:便で術野が不潔になるのを防ぐため。

睡眠薬の服用 根拠:緊張や不安により睡眠不足になり、全身状態に悪影響がでるため。

術前の準備

・術前の準備として、術衣へ着替え、義歯・コンタクトレンズ、指輪を外し、化粧やマニキュアを落とす。

・病棟看護師が手術室看護師に引き継ぐ際は、患者の本人確認を行う。本人に名前を言ってもらうネームバンドを確認する。 根拠:患者取り違え事故防止のため。

・術前から、弾性ストッキングを着用する。 根拠:深部静脈血栓予防のため。

一般的な導入(全身麻酔を始めること)の流れ

①静脈路から麻酔薬を投与し、鎮静を得る。(硬膜外麻酔を併用する場合は、硬膜外麻酔を実施してから全身麻酔を導入)

②筋弛緩薬を投与 根拠:術野を広げ手術をしやすくするため。

③気管内挿管し、人工呼吸器を装着。


硬膜外麻酔

・硬膜外麻酔とは、硬膜(脳と脊髄を覆う膜の1つ)の外腔に局所麻酔薬を注入し、脊髄神経伝達を遮断する。

・局所麻酔の1つ。

全身麻酔と併用することで、全身麻酔の使用量を少なくすることができる。また、カテーテルを留置しておくことで、術後も必要に応じて薬量を追加でき、痛みのコントロールに有用である。

気管内チューブの挿入

筋肉が弛緩したことを確認し、気管内チューブを挿入する。

カフを注入 根拠:気管内チューブがずれたり、抜けたりしないように、中に空気を入れて止めておくことで、下部気道への誤嚥防止や空気漏れの防止のため。(国試)

・カフの圧は、低いときちんと固定できず換気不足となる恐れがあり、逆に高すぎた場合は気道粘膜を損傷してしまう。そのため、適度な圧を加えることが重要。

胃管(胃チューブ=マーゲンチューブ)

胃管挿入の目的

・全身麻酔下手術では、胃からの分泌液による誤嚥性肺炎を防ぐため。

・胃の手術において、術後の吻合部出血などの早期発見に役立つ。

・胃内容物(分泌液やガス)の吸引による減圧

・胃内の洗浄

・薬剤や栄養剤の投与

胃管挿入の目安

・鼻腔から噴門までは45㎝程度、中央部まで挿入すると55㎝程度。

・正確に挿入したか確認するためには、専用のシリンジで管に空気を入れ、聴診器で腹部の「プクプク」「ゴボッ」という音が聴くことができる。他には、吸引による胃液の排出の確認や、確実な確認をするにはX線撮影を行いチューブの位置を確認する。

・胃管挿入時は、口腔内を清潔にする。根拠:感染防止のため。


間欠的空気圧迫装置

・間欠的空気圧迫装置の目的は、血液の循環を促して血栓の予防のため。(国試) 根拠:長時間動かないことで、下肢に血栓ができるリスクがあるため。

・身体の深いとこにある太い静脈にできた大きな血栓(深部静脈血栓)が、血流に乗り肺に流れ、突然肺動脈が閉塞する(肺塞栓症)ことがる。(国試)

離床数日後に発症することが多いため、観察する必要がある。術前から弾性ストッキングの着用の工夫がされる。

気管内挿管による人工呼吸器装着中の観察ポイント

トラブルの例:気管内圧の上昇 考えられる状況とその対処法 痰がつまっている→痰を吸引する

・トラブルの例:胸郭の動きに左右差がある 考えられる状況とその対処法 気管チューブが奥まで入り、右主気管支内に挿入されていることが疑われる→胸部X線で確認する

・トラブルの例:喘鳴が聴取される 考えられる状況とその対処法 気道系の攣縮が示唆される

・トラブルの例:呼吸音の減弱 考えられる状況とその対処法 回路の空気漏れや無気肺、気胸、挿管チューブのカフ圧低下による空気の漏れ等を疑う


褥瘡予防

数時間でも褥瘡はできるため予防が必要。マットジェルマットを用いる。 根拠:同姿勢で特定の場所が圧迫され、麻酔薬や出血の影響で血圧が下がり、圧迫されている組織が虚血しやすくなるため。

・同姿勢が続くことで、四肢の過伸展や圧迫による神経麻痺を起こしやすい。予防のため、クッションを使用する

・固定具などを使用する際は、圧迫に伴って皮膚との接触部位が障害されやすくなる。その結果、循環障害過伸展などによる神経障害にも注意が必要となる。

最後に

今回は、周手術期(術前)についてまとめました。

全身麻酔、深部静脈血栓、無気肺、弾性ストッキングの看護は、実習先で必ず学ぶと思います。ぜひ、この記事を役立てて下さいね。

次回は術後についてです。

では、また!!

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