こんにちは。無理やあブログ管理者の無理やあです。
このブログは、記事をそのまま書き写せば看護実習の事前学習ノートが完成できるブログです。
ただでさえ忙しい、看護学生さん。さらに、実習前や実習中にもなると、睡眠時間を削って日誌に記録に、翌日の計画に目標、評価、カンファレンスの準備に・・と忙しすぎるでしょ(体験談)
なので、このブログを活用して、睡眠時間を少しでも確保してください!!
今回のテーマは『ウイルス性肝炎』。疾患や検査(肝生検)、インターフェロンについてなど、治療や看護のポイントを踏まえながら、根拠を入れてまとめています。事前学習に活用できるように、基礎的なところを主としています。では、行きましょう!
『ウイルス性肝炎』です。
※肝臓については下の画像から👇
※肝硬変については下の画像から👇
肝炎とは
急性肝炎
・急性肝炎 全身倦怠感、発熱、黄疸などがみられ肝酵素値の上昇がみられる。通常は2~3か月の保存療法のみで治癒するが、まれに(1%未満)劇症肝炎(症状発現後8週以内に高度の肝機能障害を呈し、肝性昏睡Ⅱ度以上、プロトロンビン時間40%以下を示すもの)をきたす。
慢性肝炎
・慢性肝炎 C型肝炎では高率(60~70%)に慢性肝炎に移行する。肝がんに移行する慢性肝炎はウイルス性が大部分を占め、その70%がC型肝炎ウイルス、20%がB型肝炎ウイルス。また、肝炎や肝硬変が進展すると、肝がんの発生リスクが高くなる。肝細胞がん患者の90%に肝硬変の合併がみられる。
肝炎の原因
・80~90%は肝炎ウイルスが原因
・アルコールの多飲によって肝機能障害は起こるが、日本の肝炎のうち、アルコール性の人は数パーセントである。
・非アルコール性脂肪肝 アルコールを飲まないのに、肥満から脂肪肝をきたす 10%は進行性。
肝炎ウイルスの種類と感染経路
●A型
感染経路・・・汚染された水、糞便、食物(生ガキなど)の経口摂取
特徴・・・急性肝炎のみ、慢性化はしない
●B型
感染経路・・・血液、性行為、母子感染(経胎盤・経産道)
特徴・・・HBワクチンが有効、予防法の確立により母子感染は激減、成人の感染は慢性化しにくい
●C型
感染経路・・・血液、性行為(まれ)、母子感染(少ない)
特徴・・・ワクチンは無い、無症状のまま慢性化しやすく慢性肝炎の70%を占める
●D型
感染経路・・・血液、性行為、母子感染
特徴・・・B型に重複感染、日本ではほとんどみられない
●E型
感染経路・・・汚染された食物(野生動物の生肉や肝臓など)、血液
特徴・・・急性肝炎のみ、慢性化はない、妊婦で重症化しやすい
B型肝炎キャリアの母親から生まれた新生児に対する処置
・分娩直後の児に抗HBsヒト免疫グロブリンを投与し、受動免疫を、さらに2~5か月後にB型肝炎ワクチン(HBワクチン)を接種して、能動免疫を得ておく。
・能動免疫とは感染因子に対し宿主自体の免疫系が働いてそれを駆除すること。
・受動免疫とは他の個体(ヒトや動物)が能動免疫の働きによって得た免疫力(抗体)を利用すること。
C型肝炎ウイルス感染の可能性が一般より高い人とは
・1992(平成4)年以前に輸血を受けた人 根拠:HCVが発見されたのは1988(昭和63)年、献血用の血液に対してHCV検査が行われるようになったのは、1989(平成元)年からで、1989年時点では検査法の感度は悪く、実際のHCVの7割ほどしか検出ができなかった。1992年に導入されたHCV抗体検査でようやくHCVをほぼ100%検出できるようになったため。
・大きな手術を受けた人
・血液凝固因子製剤を投与された人 根拠:血液からつくられた、フィブリノゲン製剤や非加熱第Ⅷ因子製剤、非加熱第Ⅸ因子製剤などの血液製剤での感染が拡大したため。
・長期に血液透析を受けた人
・臓器移植を受けた人
・薬物濫用者、入れ墨・タトゥーをしている人
・ボディピアスを施している人
・その他(過去に健康診断等で肝機能検査の異常を指摘されているにもかかわらず、その後肝炎の検査を実施していない人等)
ウインドウ・ピリオド(窓期)
・感染直後の一定期間は、検査してもウイルスを検出できない期間があり、この時期に献血をしていまうと、検査をすり抜けた感染血液が輸血に用いられてしまう可能性がる、これをウィンドウ・ピリオド(窓期)という。
感染しても・・・
・肝臓は予備能力が高く、肝炎ウイルスに感染していても症状が現れないことがある。
肝生検
・肝生検は、超音波で見ながら経皮的に肝臓に針を刺し肝臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で観察して診断する。10~20分程で終わる。
肝生検の合併症
・肝生検の合併症には出血、肝内血種、胆管損傷、気胸、血胸、他臓器の損傷などがある。
肝生検後の看護
・肝生検後は安静とする。 根拠:出血予防のためバイタルサイン、疼痛の有無、気分不快の有無、創部の観察、呼吸状態の観察を実施する。
肝炎の治療について
インターフェロン
・B型肝炎・C型肝炎の治療の中心は、インターフェロンを中心とした抗ウイルス薬である。
・インターフェロンはウイルスに感染した際に生体で作られるタンパク質の一種であり、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、免疫調整作用がある。
インターフェロンの副作用
・インターフェロンの副作用には発熱、倦怠感、頭痛、眼症状、間質性肺炎、筋肉痛、食欲不振、発疹、うつ症状などがある。
※ダクラタスビル・アスナプレビル
2014年には、インターフェロンを必要とせず、経口薬だけでウイルスの除去が可能なダクラタスビルとアスナプレビルが登場した。
飲み薬だけで治療(1日2回24週間経口投与)ができ、副作用も少ない、治療効果も高い。ウイルス排除率は薬85%と言われている。
副作用には、ALS・ALT上昇、ビリルビン上昇、微熱などがある。
慢性肝炎患者への指導
・栄養バランスの良い食事を摂取を指導する。根拠:肝臓に負担をかけないため。腹水があれば塩分制限、肝性脳症があればタンパク質制限をし、不足するタンパク質はアミノ酸製剤で補う。
・肝酵素の上昇・合併症がなければ過度の運動制限は必要ない。根拠:肥満や運動不足は肝脂肪化をきたし肝機能の悪化につながるため。
・適正体重を維持することが重要
・黄疸、腹水、倦怠感などの症状があるときは、安静が重要である。根拠:肝臓に血流を送るため。
今回はウイルス性肝炎についてまとめました。実習の事前学習に使用してください。
では、また!!
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