今回のテーマは『術後の看護』。
今回は術後の管理やリスクの予測、予防やその根拠についてまとめました。看護実習では、術後の看護は必ず学ぶので、ぜひこの記事を活用して下さい。
この記事をそのまま書いてもらえれば、事前学習を仕上げる時間が少しでも短くなり、実習中の睡眠時間を少しでも確保できます。
では、いきましょう『術後の看護』。
※手術前日の看護については下の画像をクリックして下さい。

※手術当日の看護については下の画像をクリックして下さい。

抜管
・気管チューブを抜くことを抜管と言い、抜管と同時に吸引を行う。 根拠:吸引を行うのは、全身麻酔や筋弛緩薬の影響で声門の運動も麻痺しており、気道内の分泌物などを吐き出しづらく、誤嚥や気道閉塞のリスクが高いため。
術直後の観察ポイント
①麻酔からの覚醒状況
②呼吸音、呼吸の深さ、回数
③胸郭の動きや左右差の有無
④動脈血ガスやパルスオキシメーターの値
バイタルサインの観察
・血圧と脈拍はとても重要、術後出血が起こっている場合、出血量が多いと血圧が下がって循環血液量減少性ショックになるリスクがある。
・術後出血とは、手術を行った箇所やその周辺から出血すること。止血が十分でなかったり、血液凝固不全、縫合不全などの原因が考えられる。縫合不全は縫合部が治癒せず開いてしまう状態で、術前からの低栄養状態など、リスクの高い患者には特に注意が必要。
中心静脈圧(CVP)の観察ポイント
・中心静脈カテーテルでCVP(中心静脈圧)を測定し、循環動態を把握する。
・CVP↑ 輸液法などによる循環血液量の増加、右心不全など。
・CVP↓ 出血、輸液不足などによる循環血液量の減少、脱水など。
術後の主な観察点
①意識レベル(氏名・日付・場所等が言えるか)
②循環状態(血圧、脈拍、体温、チアノーゼ、四肢の冷感の有無)
③呼吸状態(回数、呼吸音、呼吸の深さ、胸郭の動きの左右差、酸素飽和度等)
④創部の状態:創(結合状態)、浸出液(出血の有無)
⑤ドレーンからの排液の性状、量
⑥時間あたりの尿量
手術室から出てきてからの看護
・手術中は低体温になるため、オペ室から出てきた患者が使うベッドは電気毛布を使用し温めておく 根拠:全身麻酔によって体温調節中枢が抑制されており、術野からの熱放散があるため。
・低体温は出血量の増加、麻酔感覚の遅延、創部感染、悪寒の原因となる。
ドレナージについて
・ドレナージとは、体内の血液や排出液、空気などを体外に排出させること。
・ドレナージの際、ドレーンが閉塞すると体内にたまった血液や浸出液から感染のリスクがある。
・排液バッグは常に刺入部より低い位置に固定する 根拠:排液が逆流すると感染の原因になるため。
・胸腔ドレナージでは、胸腔内の陰圧状態を保つため、閉鎖式(主流)で水封式にする必要がある。水封式持続吸引法では、吸気時に水封室の水面が上昇し、呼気時に降下するのが観察できる。
・排液が粘性の場合はドレーンが閉塞しやすいため、ミルキングを行うことが必要であるが、出血が多い場合はミルキングを行わない場合もある。
・大きな死腔ができる手術の場合は効果的なドレナージが出来ないと、感染のリスクが高まる。 根拠:死腔とは手術によって臓器を切除したあとの空間のことで、血液や浸出液が溜まりやすいため。
排液で観察できること
・排液は術直後は血性が多いが、徐々に色が薄くなる。
・ドレーン内に出血があったり、真っ赤な鮮血の出血がみられたりすれば術後出血が疑われる。
・排液に消化液や消化管の内容物が混ざっていれば、縫合不全の可能性がある。これは術後3日目以降に起こりやすい。 根拠:縫合した部分にストレスがかかったり、血流不全や感染などが原因となるため。
・①色 ②性状 ③量 を確認する。
Mooreの分類
・Mooreの分類で第1相は、神経や内分泌系の反応が中心となる時期で血糖値があがる。
・Mooreの分類の第2相は水や電解質平衡が正常化していく時期で、腸蠕動が再開し、尿量が増加する。
早期離床のメリットと看護
・早期離床は、せん妄の予防、心拍出量の増加、呼吸の促進 根拠:立位になることで横隔膜が下がれば呼吸が楽になるため。
・腸蠕動・膀胱運動の促進 根拠:運動で腹圧がかかることにより自然排尿の回復が促進されるため。
・深部静脈血栓の予防にも効果がある。 根拠:血液の循環が促進されるため。
・関節拘縮・筋力低下・褥瘡の予防、創傷治癒促進 根拠:運動により振戦な血液が循環するため 術後は疼痛コントロールを行い、離床をすすめる。
離床時の看護
・点滴やドレーンが抜去しないように観察する。
・バイタルサインは小まめにチェックする。 根拠:初回歩行時は循環動態の変化によって起立性低血圧や肺塞栓のリスクがあるため。
・疼痛の状態の観察 根拠:創痛により呼吸が浅くなると、肺胞低換気のための酸素飽和度が低下する
・下腹部の手術後はイレウスのリスクが高いため、腹部膨満や排ガスの停止の有無の観察、腸蠕動音の観察を行う。
・排尿障害や性機能障害を生じることもある。 根拠:手術時に自律神経が影響を受けるため。
術後せん妄
・高齢者に起こりやすい。
・術後せん妄とは、手術と関連して起こる一過性の精神状態のことである。 見当識障害、反抗的態度、抑うつ、不安症状、睡眠覚醒リズムの障害がみられる。
・不安やストレスの除去が重要。
・精神病薬や抗うつ薬を併用し改善を図る。
最後に
今回は周手術期(術後)でした。周手術期は看護実習で必ず出会うのでぜひ活かしてください。
術後は、観察ポイントを理解することで、術後にみられる症状や合併症に注意できます。
また、患者の年齢や疾患もふまえ個別性のある看護が重要ですね。
では、また!!
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