術後の看護(術後1日目)看護実習の事前学習ノートでの書き方とポイント11選 根拠付

事前学習これ見て

こんにちは、無理やあブログ管理者の無理やあです。

この、無理やあブログは看護実習の事前学習を、記事を見てそのまま活用してもらえれば仕上がる様にしているブログです。

実習の担当看護師から言われる「根拠は?」にも対応出来る様に、今回も根拠を入れて書いていきます。

今回のテーマは、『術後の看護(術後1日目)』です。この記事を見てもらって、事前学習のノートにそのまま書き写せば、実習期間中の貴重な時間が確保できます。

ただでさえ、膨大な記録と課題を提出する実習期間中に、事前学習を教科書や参考書をひらいて書いていくのは本当に辛い作業でした。。(体験談)

なので、この無理やあブログをそのまま活用していただければ、実習中の睡眠時間も確保できます!

では、さっそくいきましょう、『術後の看護(術後1日目)』!!

術後1日目の患者の関わり方

・術後1日目以降もさまざまな合併症のリスクがある。一般的にリスクのある合併症と患者の既往や生活習慣などの情報からアセスメントし、観察やケアの優先度の高い合併症を把握することが重要。

・この時期は回復促進の早期離床も開始される。患者の安全を確保できる離床方法を計画する。

離床の大切さを説明し、独りで実施するのではなく、看護師や医師のサポートを受け離床することを伝え、離床への意欲を高める。 根拠:術後1日目の患者は疼痛が強く、点滴やドレーン、膀胱留置カテーテルなどの複数のカテーテルが挿入されており、「痛くて無理」などの思いが強いため。

術後1日目の観察項目と看護のポイント

術後1日目の患者の状態

無気肺のリスクが高い状態。 根拠:強い疼痛により深呼吸や痰の排出ができないため。

術後出血のリスクも高い状態。 根拠:手術時の出血が不十分、手術侵襲による影響、抗凝固剤の使用歴などが影響する。

体温と脈拍は増加し、腸蠕動は停止または微弱であり、高血糖状態となる。 根拠:手術による侵襲のため、血糖値の自動調節機能が崩れるため。

・サードスペースへの水分の移行により尿量は減少する。

・術後はじめての離床では、深部静脈血栓症による肺血栓塞栓症のリスクが高い。

呼吸器合併症(無気肺)

●観察ポイント

・呼吸回数、呼吸のリズムや深さ、呼吸音、SpO₂、痰の量や性状、血液ガス検査、胸部X線写真

●ケアのポイント

・術前に訓練した排痰法呼吸訓練を実施する。 根拠:術後は、肺炎無気肺になりやすく、人工呼吸器を外した直後は、気道への刺激で痰が増加するも、自力で分泌物を排出でず、それらが肺に入るため。また術後は、すぐに起き上がることは困難で、創部の疼痛により、腹部に力が入らず、痰の排出が難しくなる。

・自力での排痰が困難な場合は吸引を実施する。 根拠:創部の疼痛により、腹部に力が入らず、痰の排出が難しくなる。

意識的に深呼吸の回数を増やすよう促す。

●経過観察のポイント

・術後は無気肺を発症しやすい。 根拠:術後は痰などの分泌物で末梢気管支が閉塞し、創痛により浅い呼吸を繰り返すため。

・無気肺を防ぐため患者自身に排痰をしてもらい、意識的に深呼吸をしてもらう。


急性疼痛

●観察ポイント

・疼痛の程度やパターン

・鎮痛薬の使用状況や効果

●ケアのポイント

・痛みの少ない体位を工夫する。

・痛みのパターンを把握して鎮痛薬を効果的に使用する。 根拠:術後の疼痛は我慢する必要がないため。

●経過観察のポイント

・ベッド上臥床では疼痛は小さいが、体動により痛みが出現する。

・疼痛が動作の妨げとならないようにする。 根拠:早期離床の妨げとなるため。

深部静脈血栓症(肺血栓塞栓症)

●観察ポイント

※深部静脈血栓症(肺血栓塞栓症)の観察ポイントは下の画像をクリック👇

※弾性ストッキングの履かせ方は下の画像をクリック👇

離床歩行時に肺血栓塞栓症の症状(突然起こる呼吸困難、胸痛、チアノーゼ、咳嗽、SpO₂の急激な低下など)がないか観察する。 

●ケアのポイント

・早期離床で深部静脈血栓症を予防できることを説明し離床や歩行を促す。

・離床が進まない場合には弾性ストッキング間欠的空気圧迫法を継続し、下肢の底屈・背屈運動を促す。 根拠:ホーマンズ徴候やローエンベルグ徴候で深部静脈血栓症を疑うことができ早期発見につながるため。

●経過観察のポイント

・初回歩行時の前には深部静脈血栓症の有無を観察する。 根拠:肺血栓塞栓症は術後、離床や歩行開始時に発症しやすいため。

・離床や歩行をする患者の呼吸状態を観察し、異常があればすぐに対処する。 根拠:呼吸困難、胸痛、チアノーゼ、咳嗽、SpO₂の急激な低下などがみられるため。


皮膚トラブル

●観察ポイント

・手術の際の消毒液や血液が残っていないか確認する。

・チューブを固定するテープによる発赤かぶれなど皮膚のトラブルが発生していないか。

●ケアのポイント

全身清拭を行い、消毒液や血液を完全に落とす。 根拠:皮膚トラブルや感染の原因になため。

・テープによる発赤やかぶれなどの皮膚トラブルがあれば、テープの位置を変える

●経過観察のポイント

・術後の全身清拭は皮膚トラブル予防を目的に実施する。 根拠:皮膚観察の為に衣類を脱がすのではなく、清拭と同時にすることで患者の負担の軽減になる。

外科的糖尿病

●観察ポイント

・血液検査(血糖値)、意識レベル、尿中ケトン体・血中ケトン体、低血糖症状

●ケアのポイント

・医師の指示のもと血糖値を定期的に測定する。

・スライディングスケールの指示がある場合にはインスリンを投与する。

●経過観察のポイント

・高血糖が続くと創傷治癒の遅延易感染の助長、後に縫合不全を起こすリスクが高くなるため血糖コントロールを行う。 根拠:麻酔や手術の強いストレスが作用し、術後は高血糖状態が数日間続くため。

術後感染:点滴刺入部からの感染

●観察ポイント

・点滴刺入部の発赤膿様の付着物の有無

・点滴ルートや点滴針の接続部が外れていないか、点滴針を固定しているテープに血液や点滴液のしみ出しが無いか確認する。

●ケアのポイント

・離床や歩行により点滴ルートが外れないように注意する。 根拠:術後は疼痛などが原因し、しっかりとした歩行が難しく、注意も散漫になるため。

・点滴液のしみだしがみられた場合は、しみだしの原因を確認する。

●経過観察のポイント

・術前の栄養状態不良、血糖コントロール不良、喫煙、ステロイド薬使用がある場合は特に感染の早期発見に努める。

・点滴を行う場合はすべて無菌操作で行う。 根拠:術後は高血糖状態が数日間続き、易感染状態となるため。

術後感染:創部感染

●観察ポイント

・創部の発赤、ドレーンの排液の性状、体温

●ケアのポイント

・閉鎖式ドレーンでは清潔操作で排液を破棄する。

・ミルキングが可能な閉鎖式ドレーンではミルキングを行い排液が滞らないようにする。 根拠:ドレーンの中の排液を溜まったままにしておくと、中で固まってしまうため。

・開放式ドレーンでは無菌操作でガーゼ交換を行う。

●経過観察のポイント

・術前の栄養状態不良、血糖コントロール不良、喫煙、ステロイド薬使用がある場合は特に感染の早期発見に努める。

・創部やドレーンを扱うときはすべて無菌操作で行う。

術後感染:尿路感染

●観察ポイント

・膀胱留置カテーテル挿入部の発赤や分泌物の有無

・尿の混濁浮遊物の有無 根拠:感染疑いをアセスメントできる。

●ケアのポイント

陰部洗浄を行い清潔に保つ。 根拠:尿道やその周りの陰部の皮膚に付着している細菌が、挿入しているカテーテルから膀胱内に入り込むと、尿路感染のリスクが高まるため。

・採尿バッグの尿は清潔操作で破棄する。 根拠:採尿バッグに細菌が付着し、そこからカテーテルを経由し尿路感染のリスクが高まるため。

●経過観察のポイント

・膀胱留置カテーテルは留置期間が長くなるほど尿路感染症のリスクが高くなるため、早期に抜去する。 根拠:30日以上にわたるような長期留置では緑膿菌や黄色ブドウ球菌などによる複数菌感染が多くなるため。

・留置中は感染予防のために毎日陰部洗浄を行う。 根拠:尿道やその周りの陰部の皮膚に付着している細菌が、挿入しているカテーテルから膀胱内に入り込むと、尿路感染のリスクが高まるので、それを防ぐため。

・術前の栄養状態不良、血糖コントロール不良、喫煙、ステロイド薬使用がある場合は特に感染の早期発見に努める。


早期離床

※看護目標にも立案すると思うので活用して下さい!!

●観察ポイント

・離床前の観察:疼痛の有無や程度SpO₂深部静脈血栓症の徴候の有無

・離床中の観察:血圧、脈拍、顔面蒼白、冷汗、めまい、嘔気、耳鳴り、視野狭窄

●ケアのポイント

・術前に訓練した離床方法で離床を進める。

段階的な離床を進める。 根拠:実際の離床では体動時に疼痛が出現したり、ドレーンや点滴などのチューブ類が患者の体動を妨げたり、またバイタルサインが安定していないこともあるため。

・段階的な離床:ファウラー位長座位端座位ベッドサイド立位ベッドサイド足踏み➡病室内歩行病棟内歩行など

・歩行中は車いすを常に使える工夫をしておく 根拠:初回歩行では足取りがしっかりしないことや、迷走神経反射や起立性低血圧から気分不快が起こる可能性があるため。

●経過観察のポイント

・術後24時間程度は安静に過ごすが、可能であれば術後1日目には離床を開始する。 根拠:全身の血流がよくなることで術創の早期回復につながり、腸蠕動が促され、術後イレウスの予防になり、体を起こすことで呼吸状態が改善され、下肢のポンプ機能を促進することで、深部静脈血栓症の予防にもなるため。

・離床を開始した時が深部静脈血栓症による肺血栓塞栓症を起こすリスクが最も高い。

・術後初回の歩行では、迷走神経反射起立性低血圧から気分不快や失神を起こすリスクが高い。

・患者が転倒しないように常に観察し、症状が少しでも出現したら臥床させるようにする。

術後出血

●観察のポイント

※術後出血の観察ポイントは下の画像をクリック👇

●ケアのポイント

※術後出血のケアのポイントは上の画像をクリック👆

●経過観察のポイント

※経過観察のポイントは上の画像をクリック👆


まとめ

術後1日目の患者さんは痛みが強く、それでいて早期離床の開始となります。

患者さんには、早期離床のメリットを説明し理解してもらい、患者の安全安楽を確保できる計画を立案することが大切です。

その他、観察項目やケアのポイントを是非活用してください。

では、また!!

※手術前日の事前学習は下の画像から!!👇

※手術当日(手術前)の事前学習は下の画像から!!👇

※手術当日(術後)の事前学習は下の画像から!!👇

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