こんにちは、無理やあブログ管理者の無理やあです。今回も根拠を入れて書いていきます。
今回のテーマは、『術後の看護(手術当日)』です。今回もこの記事を見てもらって、事前学習にそのまま書き写せば、実習期間中の貴重な時間が確保できます。
『術前の看護』と同じように、術後の看護は実習では必ず学ぶと思います。
つまり、事前学習にも必要!!ということなんです。
ただでさえ、膨大な記録と課題を提出する実習期間中に、事前学習を教科書や参考書をひらいて書いていくのは本当に辛い作業でした。。(体験談)
なので、この無理やあブログをそのまま活用していただければ、実習中の睡眠時間も確保できます!
では、さっそくいきましょう、『術後の看護(手術当日)』!!
術後当日の患者の関わり方
・術直後(当日)の患者の身体は急変の高リスク状態である。 根拠:手術で受けた侵襲や、麻酔薬・筋弛緩薬の残存、創部痛があるため。
・意識レベルの低下、呼吸抑制、舌根沈下をすぐに発見できるよう頻回な観察や声掛けが必要。 根拠:睡眠をとっているからと声掛けをしないと、意識レベルの低下や呼吸停止を見逃してしまうため。
・観察装置を装着し、心拍、呼吸、血圧、SpO₂のモニタリングを実施する。
・家族が待機している場合は、家族と面会できる環境の調整を実施する。 根拠:家族との面会は双方の心理的ストレスの軽減につながるため。
手術直後(術当日)の観察項目と看護のポイント
患者の状態
・術直後の患者は気道閉塞のリスクが高い状態である。 根拠:麻酔薬、筋弛緩薬の残存による舌根沈下や気道内分泌の貯留などの影響のため。
・麻酔から覚醒すると創痛、ドレーンやチューブ類による様々な苦痛が出現し、これにより交換神経を興奮させ不整脈や高血圧などの循環不全を引き起こす。
・術後出血を起こしやすい状態のため、高血圧は出血を助長する。
・麻酔薬の残存や術中の出血、サードスペースへの水分の移行により循環血液量が減少し低血圧を起こす可能性がある。
・術直後は低体温になりやすく、低体温から生じる戦慄(シバリング)は酸素消費量を増加させ低酸素血症を引き起こす。
・疼痛やドレーン・チューブ類によって体動が制限され、術中から引き続き同一体位で経過することが多くなる。
急性循環不全
●観察ポイント
・循環血液量減少性ショック、心原性ショックを起こしていないか。
・高血圧、低血圧、不整脈(徐脈、頻脈、期外収縮)
・体温、脈拍(数、強さ、リズム)、血圧、出血、ドレーンの排液量・性状、輸液量、時間尿量、末梢循環、皮膚の色・温度
・急性腎不全を起こしていないか
・術中の出血量や脈拍、血圧などの循環に関するデータ
・赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)
・心電図モニター(術後24時間程度はモニタリングを実施)
●ケアのポイント
・疼痛の程度を聴き、疼痛が強くならないうちに痛み止めを実施し、疼痛コントロールに努める。
・輸液を指示れた量・速度で投与する。
・ゆっくりと体幹を支えながら体位変換を実施する。 根拠:体位変換により急激に血圧が変動することがあるため。
・末梢冷感が強い時は温罨法や寝具を増やす、電気毛布の使用など、保温に努める。
●経過観察のポイント
・患者は術前から不安や緊張、不眠があり、さらに術前の検査などがストレスとなっている。
・術直後には血管収縮、心拍数の増加などが起き、このことが循環不全を起こす引き金となる。 根拠:麻酔から覚醒し疼痛が強くなり交感神経優位となってカテコールアミンの分泌増加、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の賦活化によるため。
・術中から術後1日目までは尿量が急激に変動する。 根拠:ムーアの第1相では、手術によって細胞外液がサードスペースに移行して循環血漿量が減少する。循環血漿量が減少すると腎血流量が減少し尿量が減少する。
術後出血
●観察ポイント
・創部ドレーンの排液の量・性状
・頻脈、血圧低下、皮膚の色、顔色(顔面蒼白)など。
・創部からの出血の有無
●ケアのポイント
・ドレーンは最低2か所で皮膚に固定する。
・移動や体位変換の際にドレーンが引っ張られることが無いように注意する。 根拠:抜去のリスクがあるため。
●経過観察のポイント
・術直後から術後24時間は特に術後出血を起こしやすい。
・バイタルサインはこまめに測定し、血圧や脈拍の変化があればすぐに報告する。
・術前に抗凝固薬や抗血小板薬を内服していた患者や凝固機能に異常があった患者は特に注意が必要である。
・ドレーンの留置位置を確認し、正常時の排液の量・性状を前もって把握しておき、異常の早期発見に役立てる。
・ドレーンの排液は、術直後は血性の排液がみられるも、日に追って徐々に淡血性、淡々血性となっていき、排液量も徐々に減っていく。
・出血量を把握できるように、必ず排液量と性状を確認する。
・ドレーンからの血性の排液量が急激に増加する場合は術後出血を疑う。
呼吸器合併症(麻酔薬の残存、筋弛緩薬の使用による気道閉塞)
●観察ポイント
・呼吸回数、呼吸のリズムや深さ、咽頭部の呼吸音
・呼吸音の術前の状態との比較、呼吸音に左右差、減弱や消失部位があるか、副雑音があるかなど。
・SpO₂が急激に下がる場合は、舌根沈下や痰、分泌物の貯留による気道閉塞を疑う。
●ケアのポイント
・枕は使用せずに気道確保しやすい状態で臥床させる。 根拠:枕があると頭部後屈ができないため。
・痰を臥床したまま排出できるようにチリ紙を手の届く範囲に置く。
・創痛のため痰を排出できない場合は、創部を押さえながら排痰法を行う。
・痰を自己喀出できなければ吸引を行う。 根拠:気道内分泌物の貯留による気道閉塞のリスクがあるため。
●経過観察のポイント
・術後の呼吸器合併症が起こりうる期間は長い。根拠:術直後に起こるリスクが高い呼吸器合併症は気道閉塞であるため。
・術直後は麻酔の影響が残ってるため、頻回にベッドサイドに行き呼吸状態を観察する。 根拠:気道閉塞は呼吸困難を引き起こし短時間で生命の危機になるため。
急性疼痛
●観察ポイント
・患者の表情、血圧などから痛みを我慢していないか判断する。
●ケアのポイント
・痛み止めを使えることを説明する。
・療養環境を整え、手術が終了したこと、疼痛は我慢する必要はないことを説明し、安心感を与える。根拠:不安や不快、恐怖が刺激となって疼痛が増大するため。
●経過観察のポイント
・術前から疼痛の鎮痛方法について説明する。
・術後疼痛は一般的に麻酔から覚醒すると強くなり、術後4~9時間で最も強い痛みとなり、術後24~72時間では断続的な痛みとなる。
・この時期は最も痛みの強い時期であるため、疼痛コントロールが重要となる。
急性腎不全
●観察のポイント
・一般的な尿量の目安は1~1.5mL/kg体重/時である。ムーアの分類の第1相は乏尿期となるが、最低限0.5mL/kg体重/時の尿量があること確認する。これを下回ると急性腎不全のリスクが高まる。
・血液検査データ(血液生化学検査、尿素窒素[BUN]、クレアチニン[Cr])。
・血圧や脈拍を測定し急性循環不全を起こしていないかを確認する。
●ケアのポイント
・輸液を指示された量・速度で投与する。
・疼痛の程度を聴き、痛みが強くならないうちに痛み止めを使用し、疼痛コントロールに努める。 根拠:疼痛は急性循環不全を引き起こすこともあり、急性循環不全は急性腎不全を引き起こす原因となる。
・体位変換はゆっくりと体幹を支えながら実施する。 根拠:体位変換は急性循環不全を引き起こすこともあるため。
●経過観察のポイント
・ムーアの分類の第1相では、手術侵襲により細胞外液がサードスペースに移行し循環血漿量が減少する。循環血漿量が減少すると血管が収縮し、腎血流量が減少して尿量が減少する。乏尿期ではるが、医師の指示した最低限の尿量が確保できなければ急性腎不全を起こすリスクが高くなる。
・輸液量と1時間あたりの尿量を観察し、異常があればすぐに報告する。
深部静脈血栓症(肺血栓塞栓症)
※弾性ストッキングについては下の画像をクリックして下さい。👇

●観察ポイント
・患者を仰臥位又は長座位とし、看護師が膝を軽く押さえながら足関節を背屈したときに腓腹部に痛みがあるか。(ホーマンズ徴候)。 根拠:深部静脈血栓症によって不完全に閉塞されている静脈が、足の背屈運動によって完全に閉塞されて急激に静脈還流圧が上昇するため痛みが出現する。
・下肢にマンシェットを巻き加圧したときに60~150mmHgの加圧で痛みがあるか。(ローエンベルグ徴候)。 根拠:深部静脈血栓症によって不完全に閉塞されている静脈が、下腿の圧迫によって完全に閉塞されて急激に静脈還流圧が上昇するため痛みが出現する。
・大腿静脈や膝窩静脈を圧迫する、腓腹部を圧迫するなどにより痛みがあるか。
・静脈に沿って発赤、腫脹、熱感、疼痛などの血栓性静脈炎が起こっていないか。
・左右の下肢の周囲径を比較して1cm以上の差がないか。
・D-ダイマーが上昇していないか。※D-ダイマーとは、血栓中のフィブリンという物質が溶解された際に生じる物質の1つ。
●ケアのポイント
・弾性ストッキングを正確に履かせる。
・間欠的空気圧迫法(フットポンプ・カーフポンプの装着)を行う。
・下肢の底屈、背屈運動を自主的に行うよう促す。
・脱水にならないように指示された量の輸液が適切に行われているか管理する。
●経過観察のポイント
・深部静脈に血栓が出来やすい時期。 根拠:手術による静脈壁の損傷や出血などから、凝固能が亢進しており、また術中の長時間の同一体位、術後の疼痛やドレーンなどによる体動の制限があるため。
・肺血栓塞栓症を起こしやすいのは初回歩行時である。
術後ベッドの準備
術後ベッドの準備の手順
●ベッドの準備
・頭部と手術部位にあたる箇所に防水シーツを敷く。
・電気毛布でベッドを温める。 根拠:術直後は低体温になりやすく、低体温から生じる戦慄(シバリング)は酸素消費量を増加させ低酸素血症を引き起こすため。
・枕は気道閉塞を起こしやすいため置かない。
●酸素吸入と吸引の準備
・酸素流量計と吸引器をアウトレットに接続し、すぐに使用出来るようにする。
・吸引チューブ、アルコール綿、蒸留水、蒸留水用カップ、プラスチックグローブ、ディスポーザブルエプロン、ビニール袋などをベッドサイドに準備する。
●嘔吐・口喝に対する準備
・ガーグルベースン、水を入れた吸い飲み、ティッシュペーパー、ビニール袋を患者の移動の妨げにならない場所にまとめる。
●医療電子機器などの準備
・フットポンプ、輸液ポンプ、心電図モニター、点滴スタンド
まとめ
手術直後の患者の身体は手術で受けた侵襲、麻酔薬や筋弛緩薬の残存、創痛などで急変しやすい状態です。
今回の記事内容を活用して、観察することで患者さんが安全安楽に術後経過できますし、看護実習も学びになると思います。
では、また!!
コメント