【老年期の看護】看護実習の事前学習の書き方とポイント10選 根拠付き

老年看護

こんにちは。現役看護師の無理やあブログ管理者の無理やあです。

この無理やあブログは、記事をそのまま書いてもらえば、看護実習の事前学習が仕上がるブログです。

めちゃくちゃ忙しい、看護学生さんが事前学習くらいは楽できればと思って投稿しています。是非活用して下さい。

今回のテーマは『老年期の看護』です。加齢による変化や居住空間の工夫、老人性難聴、加齢による心理的・身体の変化などを中心にまとめます。

老年期実習での事前学習に是非活用して下さい!!

では、いきましょう『老年期の看護』

加齢に伴う身体の変化

視覚の変化

老眼 根拠:水晶体の弾力低下や、毛様体筋の萎縮によって近くのものが見えにくくなる。

老人性白内障 根拠:水晶体の混濁により視力低下を起こす。

暗順応の低下:明るい場所から急に暗い場所へ移動するとほとんど見えなくなること。

明順応の低下:暗い場所から急に明るい場所へ移動するとほとんど見えなくなること。

視野狭窄:視野が狭くなる。

皮膚感覚・温度感覚の変化

・高齢者では、皮膚感覚が低下する、それに伴い温度感覚も低下する。

・高齢者は温度感覚の低下により、夏は脱水熱中症、冬は低体温を起こしやすくなる。


老化とは

・加齢に伴って生じる不可逆的な身体の変化のこと。

・老化により恒常性の維持機能は低下する。

高齢者の転倒

高齢者が転倒しやすい理由

運動器の機能低下や障害

・筋力の低下

・柔軟性の低下

・姿勢保持能力の低下

・姿勢の変化(前傾姿勢)

・関節可動域の縮小(腕が触れない、つま先が上がらない)

・足首(足関節)周囲の筋力が低下し、足首の動きが悪くなると、つま先が上がらず「すり足歩行」となって、つまずきやすいため転倒しやすくなる。転倒予防として、足関節の底背屈運動が効果的。

・身体の疼痛(腰痛や膝の痛みなど)

運動器以外の機能低下や障害

・視聴覚機能の低下

・認知機能の低下

・自律神経機能低下による低血圧(起立性低血圧食後低血圧

・薬剤を服用していることが多い(降圧薬睡眠薬

骨折しやすい

・高齢者は転倒すると骨折しやすい。 根拠:骨強度の低下により骨がもろくなっているため。

・高齢者にとって、大腿骨の骨折は治癒しにくくADLを大きく低下させる。

転倒を予防する環境調整

・階段に一段ずつ滑り止め

・足元灯

・腰の位置の手すり

・安定性のある椅子

・かかとの付いた靴

・床にはクッション材を使用

・老化やフロアによけいな物を置かない、コードを残さない

・ベッドは端座位で足底全体がしっかり床に着く高さにする

・床を濡れた状態にしない


老人性難聴

老人性難聴の特徴

・聴力の低下は、高音域で特に著しい。(国試)

・語音弁別能(音の違いを聴き分ける力)が低下し、子音が聴き取りづらくなる。

・補充現象により、大きすぎる音はより大きく不快に響く。

老人性難聴への話方

低い声で、ゆっくりはっきり話す 根拠:老人性難聴の特徴をふまえて

ジェスチャー表情など、非言語的コミュニケーションを取り入れる

静かな場所で、口の動きが見える様

・補聴器の使用を説明し促す

味覚の低下

・味覚は加齢によって鈍くなり、味覚の閾値(刺激を感じる最小の刺激量)が上がる。

・高齢者には味覚(特に塩味)の低下が起こりやすい。 根拠:舌には味を感じる味蕾という感覚器細胞があり、この味蕾が加齢とともに少なくなるため。


咀嚼・嚥下機能の低下

・咀嚼・嚥下機能が低下している為、食事はひと口大にしたり、とろみを付ける、柔らかい食事(軟菜・軟飯)にするなどの工夫が必要。

・個別性があるため、本人としっかり話をして決定する必要がある。

高齢者の脱水

・加齢に伴い口渇感が低下、水分摂取の回数が減少、水分を貯蔵している筋肉量の減少などにより細胞内液量が減少することが原因。

・低比重の薄い尿が増え、そのため水分出納では身体から排出される水分量の方が多くなり脱水となる。 根拠:水分の再吸収や尿を濃縮したりするなど腎臓の機能が低下するため。

高齢者の脱水への看護

・普段から水分摂取量排泄量を把握し脱水を予防する。 根拠:高齢者は口渇感など脱水の特徴的な症状が出現しにくいため、発見が遅れやすくなるため。

・特に発汗、嘔吐、下痢、利尿薬投与など脱水を招きやすい要因のある場合は注意が必要。

・高齢者の習慣として、エアコンの不使用、排尿回数を減らすための水分摂取を控える行動にも注意が必要となる。

・脱水の徴候として、頻脈集中力の低下意識障害がみられる。


維持される機能

・記銘力や想起力、計算するなど(流動性知能)は加齢によって低下するが、判断力や洞察力、言語能力、推理力などの結晶性知能は60歳手前でピークを迎え、それ以降は緩やかに低下する。

ADLの把握

・ADLとは食事、整容(ひげそり、整髪、口腔ケアなど)、着替え、入浴、排泄、移動・移乗などの基本的欲求を満たす基本的日常生活動作(BADL)

・電話の使い方、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動、服薬管理、金銭管理などのやや複雑な手段的日常生活動作(IADL)

・高齢者の状態を把握するには疾患だけではなく、ADL=BADL・IADL抑うつ状態はないかなどの精神状態の把握も必要。

・BADL(基本的日常生活動作)を評価するスケールの例として、バーセルインデックスカッツインデックスがある。

・カッツインデックスでは入浴、更衣、トイレ、移動、排尿・排便自制、食事6つの領域のBADLに関して、A~Gの7段階の自立度指標に分類して判定する。


高齢者の総合的機能評価(CGA)

・高齢者の状態を、身体的・精神的・社会的側面から包括的に評価する。

・評価を多職種間で共有し、生命予後のみでなく、機能予後を改善しQOL向上を目指す。

目標志向型思考

・患者本人が「こうなりたい」という思いを目標に据え、患者が可能な限り自立的な生き方ができるよう支援する考え方。

・目標志向型思考は、患者本人の希望を目標に据えることで、生活全体を豊かにするケアの実践、ひいいては患者のQOL向上につながるとされている


最後に

高齢者の身体機能を理解することで、根拠に基づいた看護ができると思います。

また、高齢者は長い生活史があり、それぞれが違った人生を歩んでいます。その、歴史に対して敬意を払い、人格を尊重することが大切ですね。看護実習では、患者さんの個人情報を多く収集すると思いますが、高齢者はとくにこのようなことに気をつけたらいいとおもいます。

ではまた!!

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